介護×IT ってアリ?デジタル化が広げる M&A の新しいカタチ

介護や福祉の現場と聞いて、どんなイメージが思い浮かぶでしょうか。「⼈の⼿で⽀える」「アナログな現場」そんな印象を持つ⽅も多いかもしれません。しかし近年、IT 技術の進化とともに、介護・福祉分野にも着実にデジタル化の波が押し寄せています。
そしてこの動きは、M&A の新しい可能性にもつながってきています。本記事では、IT 導⼊がもたらす現場の変化や、デジタルを活⽤した M&A の成功事例をご紹介します。


介護業界におけるデジタル化と聞くと、難しそうに感じるかもしれませんが、実際には「⽇常業務のちょっとした効率化」から始められるケースがほとんどです。

たとえば、以下のような IT 導⼊が進んでいます。

このように、“現場の IT 化”は、職員の負担を減らすだけでなく、サービスの質を維持しやすくするという⼤きなメリットがあります。


MIT を積極的に取り⼊れている施設は、次のような点で M&A における評価が⾼まりやすくなっています。業務の標準化・⾒える化が進んでいるため、引き継ぎがスムーズ職員の⽣産性が⾼いため、慢性的な⼈⼿不⾜でも安定運営が可能経営データが蓄積されているため、施設の価値や改善余地が客観的に分析しやすいIT リテラシーのある管理者が育っているため、統合後も現場が混乱しにくいたとえば、ある中規模の障がい福祉事業所は、記録業務をすべてクラウドで管理していたことが評価され、他事業所との経営統合がスムーズに進みました。統合後は、IT ツールの利⽤⽅法を他施設にも展開し、全体の業務効率が底上げされたと⾔います。


実際にあった成功事例を⾒てみましょう。

ケース:⾼齢者向けデイサービスと訪問介護事業所の統合

・デイサービス側は、クラウド型の記録・勤怠システムをすでに導⼊済み
・訪問介護側は、紙の台帳と⼿書き記録が主で、業務効率化に課題あり
・M&A 後、デイサービス側の IT インフラを訪問介護事業にも導⼊
結果として:
・記録ミスや情報共有の遅れが⼤幅に減少
・管理職の負担軽減により、利⽤者⽀援に時間を割けるように
・若⼿職員の定着率が向上

このように、IT は単なる「便利な道具」ではなく、⼈材の定着やサービスの質向上にも直結します。


介護や福祉の現場は、「⼈ありき」の仕事です。だからこそ、現場の負担を減らし、働きやすさを⾼める IT は、“⼈にやさしい”M&Aを実現する上で、重要な武器になります。

特にこれからの福祉業界では、
・IT 導⼊によって業務を「⾒える化」
・M&A を通じてそのノウハウを「共有」
・組織全体で「底上げ」していく

という流れが、ますます求められていくでしょう。
「IT 化なんてまだまだ先の話」と思っているうちに、現場はどんどん進化しています。
デジタル化は、福祉の現場と M&A を“つなぐ橋”となる存在なのです。