M&A専門家が推奨する「最低限これだけは確保すべき」有資格者の人数と配置基準
―福祉M&Aの成否を分ける“人材の充足率”とは―

福祉事業のM&Aでは、財務諸表よりも先にチェックされるのが「職員の資格配置状況」です。理由は明快で、資格者の充足=指定基準の維持=収益の安定性だからです。つまり、どれだけ高い評価を受けている事業でも、 “資格者が抜けた瞬間に指定取り消しリスク”が発生します。ここでは、M&A専門家が実務上「最低限ここだけは確保しておくべき」と判断する人員配置の考え方を整理します。
1. 資格配置は「加算」ではなく「指定維持条件」として捉える
とくに児童発達支援・放課後等デイサービスでは、加算要件よりも厳しい“人員基準”が定められています。買収検討時には、まずこの「基準未達リスク」がないかを確認する必要があります。

💡 ポイント
・「人員基準」は行政監査で最も厳しく確認される項目
・買収時に資格証明書・勤務形態・雇用契約を必ず照合
・管理者・児発管が退職予定なら「引継計画書」を早期に策定
2. M&Aで見落とされやすい「有資格者の在籍リスク」
帳簿上は資格者が充足していても、実際には「兼務」「非常勤」「実務未経験」などの理由で、実質基準を満たしていないケースがあります。これは買収後に行政監査で発覚する“典型的なリスク”です。
よくあるトラブル例
・名義だけの児発管が複数事業所を掛け持ち
・管理者が現場勤務しておらず、常勤要件を満たしていない
・有資格者が産休・退職予定なのに後任が未確定
こうした状況を防ぐためには、M&A前に次のチェックリストを活用します。
🗒️ 人材配置のデューデリチェック項目
・児発管・管理者の実勤務記録を確認
・資格証明書を原本で確認(写しのみは要注意)
・シフト・契約形態が常勤換算に合致しているか
・退職予定者・休職者の有無
・各職種の代替要員確保計画
3. 買収後3か月で行うべき「安定運営への配置計画」
M&A後の初期対応では、「資格者を守る」=「事業の信用を守る」という意識が欠かせません。買収先のスタッフが不安を感じて離職してしまうと、指定基準を下回る可能性すらあります。そのため、買収後の3か月間は以下のようなステップで人材体制を整備します。
運営安定化のステップ
1.現有資格者全員との個別面談を実施
2.資格者のキャリアアップ支援(研修・昇給制度)を説明
3.資格取得予定者の育成スケジュールを策定
4.常勤換算に基づく勤務調整を最適化
5.離職防止策として「資格者手当」「主任制度」などを導入
💬 M&A専門家の視点では、「資格者の在籍安定性」が買収価格の調整要素にもなります。
充足率が高く、離職リスクの少ない体制は、それだけで企業価値が1〜2割上昇することもあります。
5.まとめ 資格配置の「質と継続性」がM&Aの評価を決める
福祉事業における資格者配置は、単なる法令遵守ではなく「経営の信頼性」を示す指標です。買収前に十分な調査を行い、買収後に離職防止と育成をセットで進めることで、“安定した指定維持”と“持続的な加算取得”の両立が可能になります。
🔑 要点整理
・最低限の資格者配置を常に「実働ベース」で維持する
・デューデリジェンスで“名義貸し”や“非常勤リスク”を見抜く
・M&A後3か月は「資格者の離職防止」を最優先に対応する
“資格者が揃っている”ということは、“事業が回る”ということ。この当たり前の土台こそが、福祉M&Aにおける最も確実な投資価値です。

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